Volkswagen / TYPE1(フォルクスワーゲン / 空冷ビートル)の購入を考えている方だったら気になる、走行性能や、燃費について、そして日頃のメンテナンスはどのくらい必要なのか。夏や冬は大丈夫?などなど。実際に1960年の空冷ビートルをメインカーとして使用している私が実際のところをお伝えしたいと思います。

空冷ビートルの走行性能ってどうなの?

空冷ビートルは高速道路も、山道も問題なし!

私の1960年の空冷ビートルは1500ccですが、高速道路でもMAX105kmくらいしか出ません(下り坂ならもっと出ますが)。しかし、100km巡航は問題なく出来ますし、100kmまではスムーズに加速してくれるので、遅い車がいれば普通に追い越しも出来ますし、全く支障はありません。無駄にスピードが出ない分、安全運転が出来てちょうど良いと思っているくらいです。上り坂もマニュアルなので、ギアチェンジ次第でどうとでもなります。かなり急な山道に何度も行っていますが、不便に感じたことはありません。急すぎる登り坂で若干苦しい時はありますが、軽自動車よりは坂道に強いと思います(もちろん車種によりますが)。

空冷ビートルはパワステがないからハンドルが重い?

ハンドルはパワステではなく、いわゆる重ステですが、全然気になりません。空冷ビートルの場合、エンジンが後ろにあるので、車体の後方に重量がかかっています。つまり、前に荷重がかかっていないため、前輪は軽くハンドルは重くなりません。

空冷ビートル、こんな小さいのに小回りが効かない?

走行性能で私が一番欠点だと思うのは、小回りが効かないという点です。小さいから小回りが効くと思ったら大間違いで、車体のサイズの割にはホイールベースが長く、転舵角も現代車と比べて非常に狭いです(ハンドルがあまり切れない)。慣れてしまえばどうということはないですが、小さいから小回り効くでしょ?と思っていると驚くと思います。

しかし、そんな欠点も含めて、空冷ビートルの運転している感、運転している楽しさは最新の車では絶対に味わえないです。運転している事が最高に楽しくなる車なので、運転好きな方が一度乗ったら病みつきなると思います。

空冷ビートルって、夏は暑くて冬は寒い?

冬は比較的、快適に乗れます。低年式でもエンジンの熱で温めるヒーターが付いていて、暑いくらいに暖かくなります。なんといっても寒い国ドイツの生まれですから、冬には強いです。ただ、走り出し前の暖気は必要です。
では、夏はどうか。。。暑いです!エアコンがない車両だと真夏はとても暑いです。しかし、三角窓というものが付いていて、これが超優秀。暑くても走行中は風がものすごい入ってくるので真夏でも行けます。上の画像が三角窓全開の状態ですが、走行中は物凄い勢いで風が入ってきて、最高に気もち良いです。

ただ、いくら三角窓が優秀でも止まると風は入ってきません。暑い!!低年式でも後付けでエアコンをつけることは出来ますが、工賃を入れたら30万円を超えてしまいます。私はつけていますが、これが予想に反してめちゃくちゃ効きます。普通の車のエアコンより効くんじゃないか?っていうくらいです。「じゃあ後付エアコンつけた方がいいじゃん!」と思うかもしれませんが、悲しいことにデメリットもいっぱいあります。まず、結構な費用がかかってしまう事。そして、エンジンの回転でエアコンを動かすので、エンジンに負担がかかります。走行中はまだ良いですが、停車中はエアコンを切った方がいいレベルです(停車中が一番つけたいのに・・・)。そして、もちろん燃費も悪くなります。さらに、エンジンルームに大きなエアコンパーツを設置することになるので、メンテナンスが非常にしずらくなります。写真の赤く囲っている部分がエアコン用のパーツですが、でかい。本当に邪魔です。それでも、私はメインカーとして夏も乗りたいのでエアコンはつけました。

そして夏はもう一つ弱点があります。空冷ビートルは空冷というだけあって空気でしかエンジンを冷やせません。なので、暑い日に空冷ビートルを連続運転させてしまうとオーバーヒートの恐れが高まります。こまめに休憩をさせてあげる必要ありです。
という事で、冬は快適ですが、夏は結構大変。

空冷ビートルって壊れやすい?燃費は悪い?

空冷ビートルは作りが単純なので、意外と壊れない

意外と壊れません。壊れても作りが単純なので、パーツを変えてあげるだけで簡単に治る事が多いです。
古い車なので、調子が悪くなったりする事もありますが、その都度パーツを変えていってあげる事で調子が整っていきます。なので、空冷ビートルは頻繁に乗っている方が調子がいい状態を保てます。
都度直していけばいいと言われても、それがどのくらい費用がかかるのかは気になるところですよね。購入時の状態にもよりますが、私の場合、購入してから次の車検までの2年間で修理にかかった費用は、4万円以内に収まりました。また、直近の車検と車検の間の2年間でかかった修理費用は1.5万円ほどです。どうですか?思っているよりは安くないですか?ただ、突然のトラブルに備えて、レッカー無料の任意保険は絶対に入った方がいいです。私もこれまでで2度レッカーされていますが、保険に入っていれば安心です。
そして、ここが個人的に愛車感があって非常に楽しいところですが、ある程度の期間乗っていると、エンジン音、アイドリングや振動、ハンドリングなどで、「あれ?なんか調子悪いぞ。」とわかるようになってきます。先ほど私は2度レッカーされたと書きましたが、2度目の時は走行中に、【今日調子悪いな。→あーこれ止まるな。→道沿いのファミレスの駐車場に避難。→駐車完了する直前にエンジン停止。→エンジンがかからなくなる。】という感じでした。レッカーされた事自体は全然嬉しくないんですが、「お前の事がよくわかってきたぞ。」と、少し嬉しい気持ちになりました。この愛車感は現代の車ではなかなか味わえないのではないかなと思います。
※修理費用は、当然車両の状態によって変わるので、あくまで参考程度でお願いします。

空冷ビートルの燃費

これも個体差があるので参考程度ですが、街乗りでリッター7km、高速で10kmいかないくらいです。現代の車と比べると燃費は良くありませんが、大型のアメ車などと比べると優秀ですよね。ただ、ガソリンはハイオクなので、ガス代は割高になります。それでもクラシックカーという部類で、この燃費なら十分優秀ではないでしょうか。

空冷ビートルは、日頃のメンテナンスに手はかかる?

オイル交換と雨晒しにしないくらいでしょうか。意外と日頃のメンテナンスに手はかかりません。
3,000km or 3ヶ月に1回、エンジンオイルを変えてあげる必要があります。自分でやれば、2,000円程でできますが、ショップに頼んでも6,000円程度です。私の場合は、3,000km or 5〜6ヶ月に1度オイル交換をし、駐車場は屋根付きで雨晒しにはならないようにしています。青空駐車の場合は、カバーはかけてあげて下さい。現代の車と比べると塗装もボディーも弱いので、雨晒しだと痛んでしまいます。私の場合は、屋根付き駐車場ですが、雨の日に走行した場合は、軽く全体をタオルで拭いて水気を落としています。日頃やっている事といったらこのくらいです。

空冷ビートルレビューまとめ

空冷ビートルはメインカーとしても十分使える走行性能で、燃費もそこまで悪くはない。そして、メンテナンスや維持費もほどほどで済む優秀なクラシックカーです。パーツもオリジナルパーツだけでなく、社外品もたくさん出ているので困ることはあまりありません。クーラーなしの場合は夏が暑いくらいです。とても楽しい車なので、車好きの方は楽しめる良い車だと思います。私は気に入りすぎて死ぬまで乗る気でいます。


空冷ビートル(VW/TYPE1)レビュー。走行性能や燃費、メンテナンスについて

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